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2015年8月15日土曜日

幻獣

現在会期中の「幻獣神話展Ⅱ」に本物の幻獣を捕獲し、連れてこようと、今山を探索しております。
そのためにこんな夜遅くに縄を一本持って、頭に今日取ってきた鹿の角をくくりつけて、この辺境の地までやって参りました。
幻獣捕獲計画は以下の通りです。
枝が太く折れなさそうな木を見つける。枝に縄をかけて、垂れた縄の先を輪っか状にする。そして首に縄をかける。
聞こえてくるのは虫の鳴き声と縄の軋む音。私は足をバタつかせながら意識が遠のいていくのを待ちます。すると目の前が真っ白になっていく中、木の陰からなにやら、灰色のチャンチャンコを着た小さな陰が!
幻獣です!幻獣がやってきました。私を囮にした甲斐がありました!
そしてか細い腕でこの幻獣は私の脚を引っ張ります。か細い腕の印象とはかけ離れた凄まじい腕力で私を引きずり降ろします。
「ぐぇっ」
「おめーなにやってんけ?」
「いや、自殺しようと思いまして...」
「そうか!死んだらお前食ってもいいか?」
「いいですけど...」
意識が戻ってきて、視界が開けると、そこには尻尾を生やし鼻水を垂らしたおぼこい少女が!
「でもおめー食うとこねえな、もっと肥えてねえと食い甲斐ねえべさ」
そういうと幻獣ちゃんは、私を自分の寝ぐらに首にかかった縄を引っ張って連れていきます。地面に背中が擦れて痛いですがここは我慢です。
「これ食ってもっと肥えてから自殺するといいべさ」
そう言って出されたのはイモリと、お墓のお供え物であったであろうカピカピの饅頭。私はここで、首を横に振ります。
「こんなもの食べてもカロリー摂取量が低いからすぐに太れないよ。太るなら山を降りてカロリーの高いものを食べないと」
幻獣ちゃんは困った顔で、
「仕方ねえな、だがお前が逃げねえように見張ってるからな!」
そんな調子で、私は幻獣ちゃんを「幻獣神話展Ⅱ」に連れて来ることに成功するでしょう。
しかし幻獣ちゃんは虎視眈々と私が美味しく太っていくのを監視しておるのです。
あー、そんな恋がしたい...。

ということでbunkamuragalleryで「幻獣神話展Ⅱ」やっています‼︎
今回展示されている作品が載っている図録も絶賛発売中‼︎
私は最終日に顔出しますので、よろしくお願いします。
皆様のお越しを心よりお待ちしております。

タイトル:幻獣神話展Ⅱ
会場:bunkamura gallery
会期:8月6日~16日
開場:10時~19時半

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